2020年9月に出版された久世芽亜里さんの引きこもりの本です。この方はニュースタート事務局スタッフだそうです。この手の本ってどこをターゲットにしているかが非常に難しくてさ。「コンビニは通える引きこもりたち」というキャッチーなタイトルにして本をとるんだけど。。。ギャップがある人もいるんじゃないかな。
ひきこもりの当事者、ひきこもりが身内にいる家族、過去にひきこもりだった人、ひきこもり体質の人、ひきこもりに関心がある人、ひきこもりってどんなのだろう?と思っただけの人。。。。各章、いろいろと散りばめられてはいるんだけど。。。読みたいところだけ読んでね!って感じなのかな。本というものはそういうものだと言われたらそれまでだけどね。
元ひきこもりの私が体がふるえた箇所
不登校からそのまま引きこもったという人はいるにはいますが、過半数にはほど遠いんです。同時に、バイトなど働いたことが一度もないという人も少数派です。相談で一番多いのは「学生時代はなんとかやってこられた。就職やバイトの経験も少しはあるが、うまくいかずにやめてしまい。結局ひきこもった」という人たちなのです。
統計では不登校からのひきこもりって少ないらしいです。
「自分から友達をつくるタイプではなかった」
「一緒に遊ぶような友達はいなかった」
「友達は一応いたが、ほんの数人だった」
「中学から友達がいなくなった」と話す親御さんが全体の6割になります。
え?これって私のことやん。
小さい頃からの友人がいて声をかけてくれた、少ない友達がいたので何とかなった、友達はいなかったがいじめもなくクラスの一員でいられた、勉強面で問題がなかった、学校という空間に苦がなかった。そうやって不登校にならずに済んだ。学生時代はそれでも何とかなっても仕事をはじめるとそれでは済みません。気の合う人がクラスに1人2人見つかればいい学校と違い職場ではたまたま一緒になった様々な人と関係を作りながら仕事をこなしていかなくてはなりません。元々人間関係が苦手な人には、なかなか難しいことでしょう。
わかるわ。学生時代はそれでなんとかなったというより、自分の力ではなくたまたまなんとかなった。たまたま苦がなかっただけに過ぎない。1人でいてもただ毎日何も考えずに過ごしていれば何も言われなかったしね。
大人になるにつれて人間関係がある程度作れるようになる、あるいは職場で周囲の人に恵まれる、などがなければどこかでうまくいかなくなり、退職してしまいます。そして次のしごとをうまく探せない、何度も似たような失敗を繰り返すうちにどこかの時点でひきこもりになってしまうのです。
全ひきこもりがが泣いた!って感じやわ。いや、他のひきこもりのことは知らんけど。でも私だけはこの文章を読んで目頭があつくなったわ。そやなってうまく文章で言語化は出来ななかったけどだいたいこんな感じのことは思ってたかな。今の社会は不完全な人間を許してはくれないんだよ。
不完全だからといって就労出来るような人間にして!ってのもよくわからないんだけど。。。そういう職場にめぐりあえば出来るかもしれんけど。。。大変な作業だなって思ったかな。人はそんなに簡単には変わらない。ひきこもりって体質だから働き出したとしても私も40歳をこえてまた引きこもってるしね。別にひきこもっていてもいいと思うよ。
それ以外の章は、どこへ相談にいったらいいか?とか、まずは親離れ子離れしなさいとかニュースタートの成り立ちとか引きこもりの歴史とかそんな感じのことが書いてありました。現在ひきこもりの人、親御さんは読んでおくといい本なのかなと思ったかな。元ひきこもり、ひきこもり体質な人は、読んでみてもいいけど、斎藤環さんの「中高年のひきこもり」の方を読んだほうがいいかもしれんね。そんなとこ。
ひきこもってもいいじゃない人間だもの