フリーライタ-の西園寺マキエ(48歳)が高校生の同級生であるフリーターの彼と同棲も結婚もすることなく17年以上交際を続けている。そうこの本はフリーライターとフリーターのカップルのお話で著者の彼氏、稼がない男を題材にしたお話なのです。
2013年出版なのでちょうど4年前くらいで本の中でアベノミックスが始まったところで終わっています。
先に書いておきます。オススメです。
本の前半は二人の経歴と付き合うにいたった経緯とかが書かれています。二人は学生の時に付き合ったわけではなく同じクラスだったけど親しくもなく社会に出たあとに再度、知り合ったって感じ。私も前半は特に面白いと思うことはなかったです。
年齢は私より10歳も上でバブル時代に社会人になっていて時代の恩恵を受けていたり、高校も学歴もあり二人とも普通に仕事も出来ている。この著者もOL時代の給料は月27万円ほどなり月収は30万円なりフリーランスで年収450万なりと頭が前時代的な金銭感覚でいていて私的にはイラっとくる。頭のいいインテリな感覚でお金を稼がなくて自分らしい生き方を!なんて著者の恋人であるヨシオがいうところなんて。。。。このインテリ風情が!ってまたムカムカしていました。
頭もよく留学して語学力もあって何でも出来て交友関係もたくさんあり人脈もあったうえで自分らしい生き方ってさ。頭が悪く勉強もできず友達もおらず何をやってもうまくいかずに底辺を這いずり回ってる私からしたら、おのれ!!!って殴りかかりたい衝動にかられますよw「年収100万円の豊かな節約生活術」の山崎寿人さんもどっちかというとそっち系の人ですかね。
・ω・
三章の最後らへんから徐々にヨシオの言葉が心にしみてきます。
自分らしく生きて自分をまっとうする
ここのくだりなんて凄くいいんだけど会話形式でかかれているのでかなりの量なので引用はしません。
みんな自分らしく生きて自分をまっとうする。人それぞれなんだから目指しているものが違うはずなんだ。にもかかわらず人の目を気にしてどう評価されるかってことで流されてしまっている。ヨシオのように一段上の頭脳がある人はそういうものが見渡せると思うんだ。でも私なんてバカで性根がないので、すぐに迷ってぐらつく。
それもまた人生なんだけど、人生ってそういうことの葛藤の日々なんだよね。
「だけどさあ、よく世間では、同い年の友達が自分より収入が良かったり家を建てたりすると焦るとか、気になるとか言うでしょ。特に男の人は。あなたにはそういう感覚はないのかな?」
「それはさあ、その人達はみんな同じ方向を向いて生きているから、ほかの人の進み具合が気になるわけよ。でもオレは、そういう人達とは、向いている方向が全く違うから、全然気にならないわけ。」
それを受けて著者自ら、自分と同じ方向を向いている人や自分に近い生き方をしている人のことの方が、人は気になるものなのだ。と。
これは強く私もそう思うな。
よく年収700万あったらどうする?とか聞いてくる人いるけど、特に何も思わないとしか言いようがないんよね。あんなに稼いでいるイチローが羨ましい?って聞かれても。。。いや、別にとしかいいようがない。向いている方角が違いすぎるし目指している場所が違うんだからね。
アリとキリギリスの話
「君たち、それはアリの視点にとらわれすぎだよ。ちゃんとキリギリスの視点で考えてみた?もしかしたら『あーあ、食うもんなくなっちゃっておなかすいたな~。でも、オレ、今までキリギリスらしく好きなように暮らしてきたもんな。幸せだったなー』って思いながら寿命をもっとうして死んでいっているかもしれないじゃん」
「イソップってのはなんだね、もともとアリが好きだったんじゃないの?一生懸命みんなで食うために規則正しく働くアリたちはエライって最初からそういう話が作りたかっただけでさ、アリの方はいいけど、そんな話に勝手に登場させられちゃってキリギリスにしてみたらいい迷惑だな。すっかり悪いイメージがつけられちゃってさ。」
これは私の孤独死の話と似ているよね。
孤独死した死体をみて周りが一人ぼっちで可哀想って思っただけのことであってひとりで寿命がきた本人は別に孤独で寂しいーって言って死んだわけではないんよ。なんも思わずに死んでるんよ。孤独死悲惨!ってテレビは煽ってるけど実際はそんなことはない。普通のこと。
と前半とはうってかわって後半は感じることがあるとは思います。それは前半30代後半の話で後半になるにつれ40代後半になっていきます。
それは40代後半になっていくと周りも同じように年をとって環境も変わっていくからなんですよね。結婚をし子供が出来てそして子離れしたり、離婚したり、金銭感覚のズレが生じたりいろいろと。。。
これ以外にも読んでいて自分に置き換えて、自分の場合はどうかな?と思うところは随所にあると思います。独身の男性、女性は付き合い方のヒントを得れると思います。
まあ、このカップルを参考にすることはないと思いますが、みんなそれぞれの価値観で生きていけばいいと読後には思うはずです。なかなか本を説明はうまく出来ませんでしたが、是非読んでみてください。おすすめです。ちなみに西園寺マキエさんはブログもやっております。