去年、出版されて話題になってた本なんだけどね。ようやく借りる事が出来ました。
結論からいいます。オススメ!というか是非読んでみてください!!
いい本とか面白い本とかちまたにいろいろあると思います。それは自分が知らない世界だったりとか新しい切り口の方だったりで面白いと思えるものですよね。でも、この中年童貞は、私がそうそう!そのとおり!私の心情を代弁するような本なんですよ。
口に出してもなかなかうまく表現出来なかったものを書きあらわしてくれた本!そういったものって今まで読んだ中で「助けてと言えない 孤立する三十代」くらいですかね。
冒頭から著者が何故この本を書こうと思ったかが書かれています。きっかけってやつです。
介護の施設で働いていると今、介護の現場は売り手市場でどこにも行き場がないダメなヤツがどんどん入ってきている。そういう人間がトラブルを繰り返し起こしている。その原因を突き詰めていくと中年童貞だということが判明する。
中年童貞は、仕事出来ない、他人とコミュニケーションがとれない。トラブルを起こす。頭がおかしい。
ってところから著者は調査にのりだすところからはじまる。
でも中年童貞が仕事が出来ない底辺にいるものってのは半分くらいしか当っていなくて。高学歴高収入の中年童貞もいる。高収入なので仕事の勤続年数も長くそこそこ仕事をこなす人もいる。とともに底辺で収入の少ない私みたいな中年童貞もいるって感じ。
しかしさ。
何人かの中年童貞にインタビューをしているんだけど。読んでると涙出てくるよ。他人事ではないって感じで。最初に出てきた32歳、本山氏(仮名)なんて。。。私かよ!って読みながら思ったもん。
”学校では目立たない方で、イジメられっ子ですらないです。
小学校から高校まで友達は一人もいないし、まったく存在感がなかった。
誰も自分の顔も名前も知らないと思う。誰かといるのが好きじゃなくて人付き合いはとにかく苦手。子供の頃から今に至るまで、人となにかをして心から楽しかったことは記憶にないです”
やばい。身につまされる。
読んでてつらくなるよ。まんま私だもん。わかりすぎて涙が出てくる。
それに対して著者は、
”他人とコミュニケーションがとれないことから始まり、社会や人間関係から孤立し続け誰かに認知された経験すらない。小学校や中学校でのクラス内カーストをひきずったまま停滞している半生だった。
社会的にアウトサイダーになったことは自覚していて、徹底的に諦め、なにも望まないことで日々を乗り切っているように見えた。”
(T_T)
もう私的には全米が泣いた!って感じだよ。
ほんとまんまこんな人生ですよ。
対して本山さんは、
"たまに美女と野獣みたいなカップルがいる。
たぶんオタク系の趣味が一緒なのかな、オタクの男が現実の女の子と付き合っているのを眺めると本当に羨ましいと思う。
僻みですよね。なんであんなヤツに彼女がいるの、って。自分は被害妄想が強いし、女の人と話すときは壁を作って、何も話せない。
挨拶くらいはできても、日常会話は厳しい。無理です。”
わかるわかる。
同じ思考回路。分かりすぎて泣きそうだよ。ほんまにここに出てくる人、だいたいに分かる分かるって思ってしまうんよね。途中で婚活パーティーに行きまくる人が出てくるんだけどね。著者が聞いたら年収も彼女いない歴も嘘をついたって書いてあるんだけど。そりゃあ。ごまかすよね。ちょっとでもいいように見られようと思うから。私も職場ではいろんな嘘ついてきたし。。。
で、この本の中でネット右翼の中年童貞が出てくるんだけどね。この人の意見ももっともで。引用しまくりたいんだけど。やめておく。この人自身は中年童貞を卒業出来ていないんだけど。奇跡的に中年童貞思考から卒業した人で言ってることは辛辣ながら当たってると思う。私も同じように思うからさ。
”中年童貞はプライドが高いしどうにもならない。
成功者で高学歴、金を持っているけど女性だけは苦手、みたいな中年童貞以外は現実から離れすぎていて救いようがない”と断言している。
これも分かる分かる。
よくネットとかで顔がブサイクだからもてないとか顔面障害だからもてないとか言うやついるけどさ。違うんだよ。性格がひねくれてしまっているから相手されないだけだと思うんよね。
そりゃあ性格がクソだとどんな女性でもさ。相手もバカじゃないんだから1回か2回あえば見抜くものだよ。そんなヤツと一緒にいたいと思わないでしょ?私は20代後半までは全くといっていいほど同じような思考だったんよ。
女性と挨拶いがいで言葉を交わした経験なんてなかったんだからさ。でも2001年からネットしだしてオフ会に参加したりして女性と多少なりとも接するようになってさ。このネット右翼の人みたいな感じにはなったんよね。童貞こじらせる人をみても私は特に何も言わないけどね。プライド高いから何を言っても意味ないと思うしさ。だからこの本はむかしの自分と今の自分の思考が詰まった本ということになる。名著ですよ。
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↓中年になるといろいろ思うこともあるのです。